日本の伝統食材お麩、万能食材として世界が注目

もてなすひと:OMOTEWASHI.jp 編集部

アメリカのフード情報サイト Eaterで「今年流行るかもしれない食品」の一つに『Seitan(セイタン)』がリストアップされていました。

セイタンは日本発祥の食材で、グルテンを原料とした加工食品のことであり、グルテンミートとも呼ばれています。肉の代用品にもなることから、ベジタリアンの間でダイエット食品としても、海外を中心に愛用されているミールリプレイスメント(代替品)です。

さらに グルテンミートとして活用できる 日本の伝統食材お麩、万能食材として世界が注目 しています。グルテンを使ったお麩は、お肉のような食べ応えながら低カロリーで、とてもヘルシーな食材。今回はそんなお麩にまつわる話しをご紹介したいと思います。

世界的食糧事情により見直されるグルテンミート

日本の伝統食材お麩、万能食材として世界が注目

アメリカにおいて、セイタンを代表とするミールリプレイスメントが注目されている理由の一つとして、消費者のヘルシー指向があります。

一般的に、たんぱく質は肉や魚などの動物性たんぱく質で摂ることが多いですよね。しかし野菜や豆類などのベジタリアンフードでも、素材を選ぶことで植物性たんぱく質でしっかり摂ることが出来ます。

植物性たんぱく質を多く摂取している人は、お肉をたくさん食べる人よりも、体重が増えにくく、心血管疾患や糖尿病のリスクが低い、と言われています。

いくつかの研究では、肉を食べない食事によって、死亡リスクも減るという結果が出ています。まったくお肉を食べないのは難しい、という方も、動物性たんぱく質を減らすだけでも身体にいい変化をもたらしてくれるとされます。

そして、注目される二つめの理由として、食糧問題

2018年には74億人だった世界人口が、2050年には97億人に上ると国連が予測しており、すべての人が安全かつ栄養価に富む食料を十分に得られるようにする必要があります。

また、世界的な経済の発展により中間所得層が増加することで、動物性食品の肉、牛乳・乳製品のほか、食用油や野菜、果物などの消費量が増大することは必然になります。

そのような中、動物性たんぱく質の代替として植物性たんぱく質が注目される要因は、主に以下にあります。

  • 世界的に「持続可能性」を求める大きなトレンドで、家畜の飼育数が減ればその分耕作地が増え、より多くの穀物を効率よく確保することで食糧問題に貢献できるとされています。
  • 家畜を減らすことで肉食も減少すれば、牛のげっぷなどから排泄されるメタンガスを減らし、地球温暖化の防止につながるとされています。

こうしたことを理由に、動物性たんぱく質から植物性たんぱく質へ移行することが、個人レベルで環境保護や食料問題に貢献できるとして見直されるようになったというわけです。

欧米ではミレニアル世代が中心になり「正しいモノを効率的に摂取する」という食のトレンドを牽引しています。そのトレンドにはセイタン以外にも日本食や素材が多く取り上げられています。

おそらく世界各国の食糧メーカーはこのトレンドを踏まえミールリプレイスメントへの取り組みをますます加速させるでしょう。実際日本市場でも代替肉の市場は年々成長しており、2022年には市場が254億円にまでのぼるとされています。

お麩の成り立ちと種類

グルテンミートに使われているグルテンとは、たんぱく質の一種です。私たちが普段料理で使っている小麦粉は、グルテンの含有量によって、強力粉、中力粉、薄力粉と大別されます。

このグルテンに、醤油や酵母エキスなどで味つけをして、肉状に加工したものがグルテンミートで、その特性から満腹感も出しやすく脂質やカロリーの摂取を抑えられダイエットにもよく使われています。

また、グルテンを使った食材としては、日本ではお麩がポピュラーです。生麩など和菓子にも使われるようにとてもモチモチしたお餅のような食感が好まれています。ただ、お餅とは異なり生麩は弾力が長時間継続する特徴を持っています。

お麩は昔から精進料理に使われる歴史ある食材。室町時代に中国から伝来し禅宗の僧侶の手によって広められたとされます。当時、日本は稲作中心の米文化で小麦の栽培はあまり多くなく、そのため小麦を原料とするお麩は高価な食材で庶民はなかなか口にすることは出来なかったようです。

一方、動物性食材が禁じられていた禅僧にとってお麩は、肉、魚などの代わりになる貴重なたんぱく源となり、穀類や野菜を中心とした精進料理の食材のひとつとして用いられました。

江戸時代以降は、寺から門外不出だったお麩が上方から全国に広まっていきました。修行僧によってお麩の製法が各地に伝えられ、その土地の気候や風土に合わせた製法で、お麩がつくられるようになりました。

その頃になると西洋から取り入れた小麦の製法により生産量が増え、開港とともに上質な小麦粉が日本に入るようになったことで現在の小麦粉のグルテンを使ったものと同じ作り方になり、お麩として庶民の食卓にも並ぶようになったと言われています。

お麩の種類は、大きく分けて「生麩」「焼き麩」「揚げ麩」の三つ。
作り方や地域によっても呼び名が変わり、およそ100種類以上あるとされ、地域に根ざした素材と言えるでしょう。以下、主なお麩を紹介します。

  • 車麩(新潟、山形、石川)
    棒状に生地を巻いて焼き上げます。焼いては生地を重ね、焼いては生地を重ねを繰り返し仕上げます。棒に生地を巻いて焼き上げるため、仕上がりはドーナツのようになります。越後地方では、行事の際の煮しめに使う。
  • 板麩(岩手、宮城、山形、秋田)
    棒状に生地を巻いて焼き、蒸して棒を抜いたものを平たくつぶして板状にしたものです。市販品はさらに食べやすい大きさに切り刻んでいるものも多く、味噌汁の具などに使いやすいのが特徴です。
  • 油麩(宮城)
    グルテンと小麦粉を混ぜ合わせ、棒状にして揚げたものです。仙台麩とも呼ばれます。フランスパンのような細長くてふっくらとした形をしています。煮物やみそ汁の具などとして活用されます。
  • 利休麩(京都)
    生麩を昆布だしや濃口醤油、みりんなどで味付けして油で揚げた麩です。京都の大徳寺で作られたものは大徳寺麩と呼ばれます。
  • 竹輪麩(東京他関東)
    グルテンに強力小麦粉を練り、竹輪の型に入れて蒸したものです。種類としては、生麩に分類されます。
  • もち麩(京都)
    グルテンにもち粉を加えて蒸したモノ。雑煮やぜんざいのもち代わりに入れます。種類としては、生麩に分類されます。

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お麩の有効活用で栄養バッチリ

日本の伝統食材お麩、万能食材として世界が注目

お麩の主な成分であるグルテンは、小麦粉に水を加えて練り、寝かせたあと澱粉を洗い流して抽出しています。そのため低カロリー、高たんぱく質ということで、ダイエットや美容に効果的といわれています。また、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛などのミネラルもバランスよく摂取することができます。

また、お麩はスポンジ状の網目構造になっているため、保水力はパンの1.5倍もあります。少ない量で満腹感が得られるうえに他の具材と組み合わせることで、具材から溶け出した栄養素をすべてお麩が吸い込んでくれるので、無駄なく栄養素の摂取が可能です。

お麩に含まれるグルテンペプチドは痛みを和らげたり、血圧を低下させる、胃液の分泌を抑制する、食後に血中インスリンを増加させるなどの作用があるといわれています。

また、最近注目されているのはお麩に含まれるプロリンの量です。プロリンとはコラーゲンを生成する機能を活発にさせてくれる力がある成分(アミノ酸)で、表皮細胞の増殖を促進、そして角質層を保湿するはたらきがあります。年齢とともに生じる、肌の張りの消失や肌荒れを防ぐといわれています。

乳製品や大豆にも含まれているのですが、お麩が一番プロリンが含まれていると言われています。例えば、豆腐やヨーグルトにもプロリンは含まれているのですが、麩にはその10倍以上のプロリンが含まれているそうです。

お麩の調理方法は、そのままさっと焼いたり揚げて使うこともできますし、水に浸してふやかした後、しっかり水分を切ってから煮物にしたりと使い勝手も色々です。美味しい出汁を吸ったお麩はジューシーでとっても美味しいです。

定番は、焼き麩を味噌汁の実にする、生麩を鍋物の具にするといったところ。お麩自体にはあまり味がないので、実は和洋中、お菓子など何でも活用できます。沖縄では車麩を炒めものに使った、チャンプルー料理が有名です。お肉の代わりになったり、フレンチトーストのように甘くアレンジもできたり変幻自在に使うことができます。

また、調理の工夫次第では、肉類と比べてもそん色のない栄養バランスなので、そのヘルシーさから、ダイエットに利用することも充分に価値があるでしょう。

肉や油脂の摂取を減らす目的だけでなく、毎日の料理に変化をつける材料として、料理を簡単にする助っ人として、ちょっとしたもてなし料理として、さまざまな使い方ができるお麩。あなたの家庭でも取り入れてみてはいかがでしょう。

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