和菓子をのせる和紙 、懐紙とかいしき
和菓子をのせる和紙 、懐紙とかいしき についてお伝えします。
和紙にのせられた和菓子は、美しさが引き立ちますが、ただ見栄えがいいからというだけではありません。
和紙がのせられるものとして使われるようになった謂われや人が集まる席でその使い方を知っておくと、大人のたしなみとして一目置かれるかもしれません。
和紙はお皿の代わりとして
今では、食べ物を美しく見せるための装飾として、葉っぱを使ったりしますが、お皿と呼ばれるものがなかった頃、人々は、柏などの葉っぱをお皿代わりに使っていました。
そのうちに土器が作られるようになると、かわらけや折敷(おしき)と呼ばれる食器や食台の上に木の葉を載せて、その上に食物を載せるようになり、やがて葉の代わりに和紙などが、使われるようになったそうです。
和菓子をのせている和紙には大きく分けて2種類あるというのをご存知でしょうか。懐紙(かいし)と掻敷(かいしき)。響きは似ていますが、使い方には違いがあります。
懐紙は、文字通り懐にしのばせておく紙という意味です。茶道に使われるものというイメージが強いかもしれませんが、ハンカチ、ティッシュ、メモ帳代わりなど、その用途はとても幅広いものなのです。時代劇でもよく見ると着物の襟元に懐紙がはさんであることが多く、懐紙を持つことがたしなみだったことがうかがえます。
掻敷は、料理の下に敷くものです。和紙だけでなく、料理を乗せる葉っぱなども掻敷と呼ばれ、一般的には「かいしき」とひらがなで表記されます。天ぷらなどの揚げ物には、よく奉書紙などの紙掻敷が使われます。
折り方には決まりがある
古くから伝わる風習には、ルールがあるものです。間違った使い方をしてしまうと、せっかくのおもてなしが台無しになってしまいます。和紙に和菓子をのせれば上品に仕上がる、と思いがちですがこれだけではNGです。
かいしきには、「吉のかいしき」「凶のかいしき」があります。吉のかいしきは、普段使いや、お祝いのときに、凶のかいしきは、お葬式などで使われるものと区別する必要があります。何で区別するのか、それは折り方です。こちらの折り方については、また別の機会にその折り方の意味も含めてご紹介できればと思います。
また、日本料理では、紙(和紙)のかいしきは「紙かいしき」、葉っぱのかいしきは「青かいしき」と呼ぶそうです。「掻敷十二ヵ月」と言って季節の葉っぱを使うことが、和食のおもてなしとして大事なことです。このような演出で、あなたの気配りのポイントも上がりますね。
年の初め、ちょっとしたおもてなしが役立つシーンがたくさんあります。正しく、そしてさりげなく、スマートなおもてなしができると素敵ですよね。