手のひらの自然 京菓子展 2019 入選

手のひらの自然 京菓子展 2019

手のひらの自然 京菓子展 2019 入選致しました。

作品は、外郎 白こし餡 「はにゆう」。
万葉集の和歌をテーマに、作品を創作しました。

草枕 旅ゆく君と知らませば
岸の黄土(はにゆう)ににほはさましを
(万葉集1-69)

大阪 住吉大社の歌碑にも刻まれている歌です。

大陸文化が色濃い古の時代
人々は色に想いや祈りを重ねておりました。

住吉大社へ人々は海の神さまに安全を祈願に立ち寄ります。
その時に出会った遊女が歌った歌とされています。

「はにゆう」は
遥か遠く海の向こうへ旅立つ人へ染めに込める想いと祈りを表現。
波柄をあしらい旅立つ人の衣と
祈りを込めはにゆうに染めた衣を重ね合わせてました。

茶席菓子デザイン
一言にそれだけではなし得ない壮大で興味深く、自由に時空と人々の想いへはせる楽しい空想の世界を旅した数ヶ月。

想像を繰り返し、菓子にする時間はとても濃厚で豊かな時間を過ごしました。

入選というご褒美まで頂けた事は私を応援して下さる皆様のおかげです。
この場で感謝申し上げます。

草木染めにおいて茨城 常陸太田市 小室かな料紙 小室久先生に万葉集には欠かせない料紙、文献、資料を御指南頂きました。

菓子の文様は伊勢型紙彫り師 那須恵子さん @kataya2110 に料紙より波柄を起こして頂き伊勢型紙の作成して頂きました。

器におきましては愛媛 砥部焼作家 梶原英佑さん @toubou_kibi による器をご提供頂いてます。

菓子作りはただ材料を菓子に仕立てるだけではなく他の沢山の知識や技術、伝統文化と共存していると思ってます。

少しでもそのような事が皆様にお伝え出来たらならば嬉しく思います。